相続放棄と入院費
弁護士法人心町田法律事務所の弁護士の佐藤と申します。
身内の方が亡くなられた後、病院から入院費の請求が来ると「お世話になったから払わなきゃ」と思う反面、「相続放棄を考えているけれど、払っても問題ないのだろうか」と不安になるケースがあると思います。
相続放棄をすれば被相続人(亡くなった方の)の生前の入院費の支払義務はなくなります。
但し、「お世話になったから払わなきゃ」と良かれと思って被相続人の現預金等の遺産から支払ってしまうと「財産を処分した」として単純承認とみなされる可能性があり、相続放棄ができなくなる恐れがあります。
そこで、病院に入院費を支払う場合には相続人自身の固有の財産、平たく言えばご自身のポケットマネーから支払うのであれば、相続放棄には影響しません。
自分の口座からお金を出して支払う行為は、遺産の処分には当たらないからです。
もしすでに被相続人の遺産から払ってしまった、知らずに被相続人の通帳から引き落として支払ってしまったという場合でも、まだ諦める必要はありません。
過去の裁判例では、やむを得ない事情や、金額・状況(緊急の支払いだったなど)によっては、単純承認とはみなされず、例外的に相続放棄が認められたケースもあります。
現時点でまだ入院費を支払っていないのであれば、病院から請求されても「相続放棄を検討しているので、今は支払えません」と伝えて待ってもらうのが一番安全な対応です。
このように相続人であれば相続放棄によって入院費の支払義務はなくなりますが、相続人という立場ではなく、支払義務が発生するケースがあります。
入院時に身元保証人や連帯保証になっていた場合、相続人としての義務ではなく、病院とあなたとの間の保証契約に基づくあなた自身の義務になります。
この場合には相続放棄をしても支払義務はなくなりません
また亡くなった方が「配偶者(夫・妻)」である場合も民法上の「日常の家事に関する債務の連帯責任(民法761条)」にあたり、夫婦の医療費は他方の配偶者も連帯して支払う責任が生じ得ます。
この場合にも相続放棄をしても支払義務はなくなりません。
町田市内にお住まいの方はもちろんですが、弁護士法人心町田法律事務所は小田急線町田駅から徒歩3分、JR町田駅から徒歩6分ですので、町田市以外の近隣の方でもお越しになりやすい立地です。
相続放棄をご検討の方で、実は入院費を払ってしまったという方は是非、当法人にご相談ください。


