相続放棄と葬儀費用
弁護士法人心町田法律事務所の弁護士の佐藤と申します。
前回は被相続人の遺産から入院費を支払うと単純承認とみなされ、相続放棄できなくなるのではないか、というテーマでした。
これと同じ論点として、被相続人の遺産から葬儀費用を支払った場合が問題になるケースがあります。
この点について、裁判所の判断や実務上の取り扱いでは、被相続人の生前の地位や収入、地域の慣習などに照らし、社会通念上相当な範囲であれば問題ないとされています。
「社会通念上相当な範囲」という点が曖昧で悩ましいですが、一般的に火葬代、通夜・葬儀の式場使用料、遺体の搬送費、僧侶へのお布施などは認められる傾向にあります。
これに対して、 参列者への過度な接待費用、香典返し、初七日や四十九日など法事の費用、遠方の親族の宿泊費、仏壇・墓石の購入費用などは認められないケースがあります。
つまり、被相続人の遺産でこれらを支払うと相続放棄ができなくなるリスクがあります。
確実に相続放棄をする予定であれば、一時的に自己資金や立て替えで支払うのが最も安全な方法です。
また、被相続人の遺産から支払った場合でも、後日「身分相応の常識的な範囲であったこと」を証明するために、明細書や領収書は必ずすべて保管しておく必要があります。
なお、香典の扱いについてですが、香典は喪主に対する贈与とみなされるため、相続放棄をする場合でも受け取ることができ、葬儀費用に充てることも認められています。
葬儀費用の支払いが不安な場合や、被相続人に多額の借金がある場合は、被相続人の遺産に手を付ける前に専門家へ相談することをおすすめします。
町田市内にお住まいの方はもちろんですが、弁護士法人心町田法律事務所は小田急線町田駅から徒歩3分、JR町田駅から徒歩6分ですので、町田市以外の近隣の方でもお越しになりやすい立地です。
「被相続人の遺産から葬儀費用を支払ってしまったが、相続放棄は可能か」という方でも相続放棄をご検討の方は是非、当法人にご相談ください。


