限定承認と税金
弁護士法人心町田法律事務所の弁護士の佐藤と申します。
前回は限定承認に関する全般的、手続き的なテーマで、今回は前提承認と税金に関するお話です。
結論から申し上げますと、条件を満たせば限定承認でも相続税は発生します。
さらに、限定承認を行う場合は相続税だけでなく、「みなし譲渡所得税(所得税)」という別の税金が発生する点に大きな注意が必要です。
この2つの税金について解説します。
1 限定承認における「相続税」
限定承認であっても、基本的な相続税の仕組みは単純承認と同じです。
課税されるケースとしましては、債務(借金)などを弁済した結果、手元に残ったプラスの財産が「基礎控除額」を超える場合に発生します。
基礎控除額の目安: 3,000\text{万円} + (600\text{万円} \times \text{法定相続人の数})
もっとも、限定承認を選択する場面は「借金が多くてプラスの財産が残らない」というケースが多いため、結果的に基礎控除内に収まり、相続税がかからないことが一般的です。
2 「みなし譲渡所得税」の発生
限定承認で最も注意すべきなのが、被相続人(亡くなった方)にかかる所得税です。
税法上、限定承認をすると「亡くなった人が、死亡時の時価で相続人にすべての財産を売却した」とみなされます(これをみなし譲渡といいます)。
不動産や株式など、買った当時より値上がり(含み益)している資産がある場合、その値上がり益に対して「譲渡所得税」が課税されます。
例えば、被相続人が生前、1000万円で買った土地が、死亡時に3000万円に値上がりしていた場合、その差額の2000万円が課税対象となります。
そして、これは亡くなった方の税金となりますが、準確定申告が必要で相続人が相続財産の中からに納付します。
3 まとめ
このように限定承認であってもプラスの財産が残れば相続税が発生する可能性があります。
また、不動産や株などに含み益があればみなし譲渡所得税が発生します。
町田市内にお住まいの方はもちろんですが、弁護士法人心町田法律事務所は小田急線町田駅から徒歩3分、JR町田駅から徒歩6分ですので、町田市以外の近隣の方でもお越しになりやすい立地です。
限定承認は「借金を背負わずに済む」メリットがある反面、こうした複雑な税務計算と準確定申告は4ヶ月という短い申告期限が伴うため、検討する際は早めに専門家へ相談することをおすすめします。


