相続放棄と限定承認
弁護士法人心町田法律事務所の弁護士の佐藤と申します。
相続放棄をしようかどうか調べていると限定承認というものもある、ということに気づかれると思います。
今回はその限定承認に関するテーマです。
限定承認とは、被相続人の借金などのマイナスの財産を相続したプラスの財産の範囲内でのみ引き継ぎ、弁済する相続の方法です。
「プラスの財産を超える借金は払わなくてよい」という大きなメリットがある一方で、手続きが厳格という特徴があります。
その為、実際のところ限定承認の年間利用件数は、全国の裁判所統計で約700~800件前後にとどまっており、年間30万件を超える「相続放棄」と比較して極めて少ない状態が続いています。
限定承認の主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
【メリット】
・プラスの財産の範囲内でのみ借金を返せばよいため、自費で負担するリスクがない
・プラスが残れば、その残額を受け取ることができる
・特定の手続き(先買権)で自宅などの財産を手元に残せる可能性がある
【デメリット】
・相続人全員で共同して申し立てる必要がある
・手続きが極めて複雑で、完了まで1年以上かかることが多い
・「みなし譲渡所得課税」などの税金が発生する場合がある
申立前の手続きの流れとしましては、「自分のために相続の開始があったことを知った日」から3ヶ月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立てを行います。
「3ヶ月以内」というのは相続放棄と同じですが、先ほどのデメリットでも挙げましたが、相続人全員で共同して申し立てる必要があり、相続人が複数いる場合で1人でも単純承認したいという相続人がいると利用できません。
また財産や借金の状況を正確に調べる財産目録の作成も必要となります。
申立後の主な手続きの流れとしましては、債権者を探すため債権者に対して請求の申し出をするよう、官報に公告します。
相続人が複数いる場合には相続財産清算人が選任され、不動産を売却するなどして現金を確保し、債権者に割合に応じて配当・弁済することになります。
これらの点が相続放棄と比較すると、限定承認は手続きが厳格といわれる所以です。
町田市内にお住まいの方はもちろんですが、弁護士法人心町田法律事務所は小田急線町田駅から徒歩3分、JR町田駅から徒歩6分ですので、町田市以外の近隣の方でもお越しになりやすい立地です。
限定承認をご検討の方は是非、当法人にご相談ください。


